本当に「1ヵ月2、3万円」で生活できる国なのか【モルドバ】 | Русско⇄Японско

本当に「1ヵ月2、3万円」で生活できる国なのか【モルドバ】

by Uenishi Yukie / Уэниши Юкиэ 9/05/2018 カテゴリー


日本との交流は25年以上となる旧ソ連国・モルドバ。しかしながら、聞きなれない国名だと感じる人は多いのではないだろうか。


私は仕事柄、モルドバに滞在する機会がある。東欧に来る前にモルドバについてインターネットで調べてみたところ、ヨーロッパ最貧国だとの声、月に2、3万円程度で生きられるほどの生活水準だとの声が見られた。しかし、実感として、あくまで首都キシニョフ市のチェントルに焦点を当てるならば、この情報はいささか正確ではないといえる。

まず、チェントルの家賃に目を向けたい。名前の通り、まさに中心地であるチェントルでは、場所や建物によって価格に大きな差が見られるものの、約700ユーロから950ユーロほどの物件がごまんとある。居住するだけでも本記事のタイトル記載の額を、大幅に超えることになるのだ。


次に、食事や日用品について触れたい。外食に関しては、”McDnald’s”や”KFC”(※)ケンタッキーフライドチキンといった飲食チェーンの他、”Andy's Pizza”(※)ファミレスチェーン店のようなモルドバ国内企業が営む多くのチェーン店が軒を連ねている。ちなみに、”McDnald’s”の価格帯は、ビッグマック1個が約287円(※)。為替レートは9月4日のもの日本は380円で提供しているが、月に2、3万円で生活すると考えると、特別安いとは言えない。さらに、宅配サービス”STRAUS”(※)日本のUberEatsと同様のサービスは便利であるものの、一定額を越えなかった場合、あるいは注文を受けた地域によって宅配代がかかることがある。


また、モルドバ国内で展開しているスーパーマーケット”Nr.1”(※)中型まではスーパーマーケットだが、大型はハイパーマーケットと記載されているで食材を購入する際には、魚介類の価格に驚くことがあるかもしれない。サーモンを薄くスライスしたものは、6枚入りで約467円ほど、ブロックの切り身だと約867円ほどで売られている。とはいえ、惣菜パンは1個約27円ほどで買うことができるし、国産ビール(※)輸入ビールは少なく、基本的には高値。しかし、セールになると半額以下になることもあるはセールだと2.5リットルで約154円と破格だ。

スーパーマーケットの他には市場があり、生活用品のほとんどのものはここで揃えることができる。ものによっては、スーパーマーケットより安価で購入できるものもある。話は逸れるが、市場では食料品、衣料品、電化製品等、売られているものはエリアごとに大まかに分かれており、乳製品や魚介類、ペット用品等は、それぞれ棟がある。広範囲だが、欲しいものを見つけるのは、案外容易であると感じることだろう。ただし、歩き疲れたからといって、店員が歩き売りしているドリンクは地元の人でさえリスキーだと言って避ける傾向があるので、注意する必要がある。


なぜ、インターネットの情報と異なり、キシニョフ市では物価が高いのか。なぜ、インターネットの情報と異なり、キシニョフ市では物価が高いのか。個人の見解として、外国企業や在モルドバ大使館等が密集していることから、経済水準がヨーロッパレベルに引き上げられ、物価が特別高くなっているためではないだろうか。


ちなみに、在モルドバ日本国大使館が2016年に設立された。同大使館も、キシニョフ市のチェントルに位置している。また、モルドバ日本交流財団(※)理事長はバレリー・ブンザル氏。日本の文化団体を招き、モルドバ国内で文化祭を開催するといった活動等を行っているもチェントルにあり、親日の色が濃くなってきた。日本人が観光する準備が整い始めた今、インターネットの情報と現実を比較しに来るのも面白いかもしれない。



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Uenishi Yukie / Уэниши Юкиэ

Developer

1992年11月17日、東京都出身。大学時代にロシア語を学び、現在は東欧へ移住。

Я родилась в районе Токио в Японии, в 17.11.1992 г. В университете 4 года занималась русским языком. Сейчас я живу в Восточном Европе.